科研費 奨励研究に応募する3つのメリット

研究

小中高の先生などが申請できる科研費の奨励研究について解説しておこうと思います。そもそも科研費自体が一般的にあまり知られていないようです。実際、私は科研費専用の銀行口座を作ったときに(作らないといけない)、銀行員から口座を売買する反社の人間だと思われたのか、結構色々な質問ぜめにあい、思わぬ時間かかってしまったことがあります。

科研費とは 

科研費とは、日本学術振興会が行っている競争的研究費のことを指します。研究者の方であれば誰でも知っているかと思います。しかし、研究者以外の方にはあまり馴染みのないものかと思います。競争的研究費とはつまり、それぞれの申請者の研究内容が審査され、認められた人だけが研究費がもらえるということです。科研費の財源は公金であり、申請に通るということは公に研究が認められることを意味します。お金の使い道の自由度も高く、研究者なら誰でも通りたいと思うのものです。科研費は対象によっていくつかの区分に分かれます。たとえば、理系の大規模な研究には何億円もの研究費がつきます。しかし、そのような大規模なものだけでなく、若手研究を対象とした区分などもあります。

奨励研究とは

奨励研究は科研費の中でも、小中高の先生が応募可能なものです。額は小さく10万~100万円以内です。しかし、普段の仕事をしながら、学会等でも発表を行っている先生にとってはありがたいお金です。採択率は15%程度と決して高くはありません。例年11月頃が締め切りでした。しかし、少しずつ締め切りが早くなり、令和5年には9月中旬が締め切りとなっています。審査は2段階で、専門分野とは直接関係のない大学の先生によって行われます。そのため、相手が高校生でも分かるくらいに易しく申請書を書くことが求められます。奨励研究に通ったら、研究費を貰える以外にも良いことがあるので、そのメリットをお伝えしたいと思います。

奨励研究に応募する3つのメリット

応募をお勧めする第一の理由として、読み手に伝える文章を書く練習となることです。先ほども申し上げました通り、採択するかどうか決める人は、専門外の人です。限られたスペースの中で、いかに分かりやすく魅力的に自分の研究分野を伝えるかを学ぶことができます。研究タイトルを決めるセンスを磨いたり、自分の文章の論理性を追求する良い機会となります。

二つ目の理由として、自分の研究を見直したり、次の研究を考えるきっかけとなります。新聞や書籍を読む際にも自分の研究と結び付けて考えて科研費の応募を考えることができます。申請に通った場合には、自分の研究にはそれなりにニーズがあることが分かりますし、ダメだった場合にも学術振興会からのフィードバックがあり、なぜダメだったかを振り返ることができます。

第三に、科研費を獲得することで自分の研究に箔がつきます。研究発表や論文投稿の際には科研費の助成を受けていることを明示することが義務づけられます。そのことにより「この人は科研費を貰っている人なんだ」という目で見てもらえます。科研費をもらっていれば、学術のこともそれなりに分かっている学校の先生と思われ、実践をアピールしやすくなります。以上が、奨励研究に応募するメリットです。出すのは無料(パソコンの電気代はかかります)ですので、とりあえず出すと良いかと思います。