NISA「つみたて」と「一般」が同一口座で運用一体化へ

金融

現行のNISAの「つみたて」と「一般」が同一口座になるようだ。

現行の仕組みは「つみたて」部分が年間上限枠40万円で20年運用可能であり、金融庁が選んだ長期投資向きの投資信託のみが購入できる仕組みとなっている。一方で、「一般」は上限枠120万円で5年運用可能であり、どのような株式でも購入できる。これまで、NISA口座を開く場合にはどちらか一つを選択しなければならなかった。

この制度について、本来国民の長期投資による資産形成を目的にした制度なのに「一般」の方を選択して短期的な利益を稼ごうとする人が多く、制度の目的にあっていないという批判があった。そのようなことも踏まえて、今後は「つみたて」を基本としつつ、柔軟に株式の購入もできるようになるらしい。

まだ決まっていないことは多いが、特に長期積立向けの投資上限はいくらとなるかが注目ポイントだと言える。

そもそも、国民の資産形成を本気で考えるなら年間上限40万円は少なすぎた。20年間運用しても800万円とその運用益である。NISAにだけ頼らず、退職金をもらうことを前提としても、老後2000万円時代、人生100年時代であれば、上限をもっと増やしてもいいだろう。

日本人は株式や投資信託への投資を諸外国に比べてやりたがらない。家計の資産に占める投資信託と株式の割合は、日本14.7%、アメリカ52.4%、ユーロ圏29.9%(2022年)である。それこそ、「つみたて」の上限を120万円で運用期間30年までとしてしまえば、貯蓄から投資へという流れも一気に加速し、現状も大きく変わるだろう。

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